「iPS細胞で拒絶反応」に反論 京大・山中教授2011年6月6日22時19分
iPS細胞(人工多能性幹細胞)でも拒絶反応が起きると、米グループが先月発表した論文について、京都大の山中伸弥教授は6日、記者会見で「実験データの解釈に問題がある」と反論した。
iPS細胞は患者自身の細胞からつくるため、臓器にして移植すれば、拒絶反応が起きないと期待されている。だが、米カリフォルニア大のグループが、マウスにiPS細胞を移植する実験で拒絶が起きたと、5月14日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
iPS細胞をそのまま移植すると、いろいろな組織が含まれる腫瘍〈しゅよう〉(がん)ができる。今回の実験は、この腫瘍を免疫が攻撃する程度をみる手法だった。iPSはほかの細胞に比べて、拒絶のためにがんができにくかったとする論文内容について、山中教授は、「元は自分の細胞でも、がん化すれば免疫が反応して拒絶するのは当然だ」と述べた。
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分かりにくい内容です。
>実験データの解釈に問題がある
どのような問題か。
これは最後のパラグラフに書かれています。
iPS細胞をそのまま移植するということが問題だと山中教授は考えているようです。
>臓器にして移植すれば、拒絶反応が起きない
>臓器にして
と、あるように
臨床上、iPS細胞をそのまま移植することはあり得ず、この論文は実験のための実験。臨床で応用利用する場合は、なんらかの分化因子で刺激した後「臓器にして」から移植するので上のような実験データは意味がないと言いたいわけ。
そして、iPS細胞をそのまま移植し、免疫が反応して拒絶されても、それは当たり前だ、と反論しているわけだ。
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山中教授の反論は理屈では確かにそうかもしれない。
神経などに分化させてから移植した場合、拒絶反応は絶対起きないのか。
100%拒絶されない、或いは移植後癌化しないというデータを早く示してほしいものだ。
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