改善ではなく無策

始めに、亡くなられた患者さんに哀悼の意を表します。

今日の元記事はこちらです。

<舛添厚労相>都道府県に周産期センターの改善策報告を要請

10月28日12時39分配信 毎日新聞

 舛添要一厚生労働相は28日の閣議後会見で、東京都立墨東病院(墨田区)などに受け入れを拒否された妊婦が死亡した問題について、墨東病院の医師補充策として他の都立病院から産科医を回すべきだとの考えを示した。また都道府県に対し、各地の周産期医療センターの運用状況を調べ、11月下旬までに改善策をまとめるよう通知したことを明らかにした。

 通知は27日付で、周産期医療センターの当直体制や救急部門との連携、搬送先の検索システムの更新頻度などを来月4日までに報告し、必要があれば改善策を同28日までにまとめるよう求めている。

 医療機能の集約・再編による医師確保の検討も求めており、舛添厚労相はこの点について「(渋谷区の)広尾地区には、いい産科の病院がたくさんあり、例えば都立広尾病院を他の都立と一緒にして医療資源を他の病院に回せば(墨東病院の)問題は解決する。一つの方策として提言したい。やるかどうかは都の裁量だ」と述べた。

 また、産科医療を巡る課題について、近く産科と救急医療の専門家を集めて短期的な対策をまとめる意向を示した。【清水健二】

・・・

う~ん、どうも解決策には程遠い気がします。「墨東病院の医師補充策として他の都立病院から産科医を回すべきだとの考えを示した」と書いています。そうすると、他の病院は当然のことながら、産科の受け入れができなくなります。そこで、「医療機能の集約・再編による医師確保の検討」という話になるようです。つまり、潰れる病院が出てきても構わないという考え方です。この考えを適応すると、都立広尾病院の産科医と妊産婦をまるごと墨東病院に受け入れてもらうことになります。医師だけではだめです。既に都立広尾病院をかかりつけにしている妊産婦の方々も一緒に墨東病院に転院とならなければおかしい。これで、医師一人当たりの患者数は激減し、救患を受け入れることができるようになるでしょうか。もちろん、答えはNoです。既に都立広尾病院の産科も都立墨東病院の産科も手一杯なのです。両者が合併しても、医師たちは決して楽にはなりません。お分かり頂けるでしょうか。根本の医師不足が解決してないわけですから、問題は決して解決に向かうことはありません。

何故現場を見ようとしないのか。パーフォーマンスで視察したり、机上の空論を戦わしても、何ら問題の解決には至りません。

カテゴリー: 医療関連 パーマリンク

改善ではなく無策 への2件のフィードバック

  1. ドクターK のコメント:

    ご訪問ありがとうございます。

    他の専門的な分野もそうなのでしょうが、医療の分野も、かなり分かりにくいと思います。

    だから騙されてしまうのです。

    騙されないように気を付けましょうね。

    またお会いできる日を楽しみにしております。

  2. リチャード のコメント:

    ホームページ開設おめでとうございます。

    国の改悪にはほとほと怒りがこみ上げてきますね。
    あまりに続くので、ニュースを見るたびに怒りっぱなしです。

    この間の奈良のように、また飲みながら色々お話を聞きたいですね。

コメントは停止中です。