現生人類(ヒト)の一部はネアンデルタール人と交雑し、その遺伝子を受け継いでいたらしい。独マックスプランク進化人類学研究所などの国際研究チームが、ネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)配列を解析し、突き止めた。7日付の米科学誌サイエンスでその概要版を発表する。
ネアンデルタール人はヒトに最も近い種の人類。約40万年前に現れ、欧州を中心に西アジアで生存、約3万年前に絶滅したとされる。約20万年前にアフリカで現れたヒトと同じ地域で生きていたが、両者の間に交雑はない、との考えが有力だった。
研究チームは、クロアチアの洞穴から発掘された4万年ほど前の3人のネアンデルタール人女性の骨片を使い、ゲノム配列を調べ、ネアンデルタール人のゲノム全体の約6割を解明した。
この情報とフランス、中国、パプアニューギニア、アフリカ南部と同西部の5人のヒトゲノムとを比べた。すると、アフリカ以外のヒトはゲノムの1~4%がネアンデルタール人由来と推測できた。子孫を残せるほど近い関係だったことになる。
同チームはヒトの移動時期を踏まえ、アフリカを出た初期のヒトは10万~5万年前の間に中東でネアンデルタール人に遭って限定的に交雑し、その後、欧州やアジアに広がったと考えられるとした。また、認知機能や頭の骨の発達にかかわるとされる遺伝子は両者の間で大きな違いがあることもわかったとしている。
国立科学博物館人類史研究グループの篠田謙一グループ長(分子人類学)は「人類の本質を探るための第一歩となる研究成果だ。未知の部分の多いヒトの遺伝子の働きについてさらに理解が深まれば、ネアンデルタール人についても同時にわかるようになるだろう。両者は分岐して数十万年しかたっておらず生物学的には交雑は可能と思っていたが、その考えがより強まった。ただ、交雑したと確定させるには、より古い時期のネアンデルタール人のゲノムを調べたり、ヒトがアフリカを出た時期を再検討したりするなどもう一段階必要だ」と話している。(松尾一郎)
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どうもよく分からない。
進化論、とはいっても、これは将来証明されるのが確実視されている理論物理学のような理論体系ではない。つまり、仮りの説である。
>ネアンデルタール人はヒトに最も近い種の人類。・・・約3万年前に絶滅したとされる
とある。進化論は、適者生存の考え方を基本としているので、絶滅に追いやられた(ヒトの一)種の形質(遺伝子と言い換えても言いだろう)を受け継いだ一族は、その後淘汰されると考えるのが自然である。しかし、結果は逆のようだ。
今盛んに言われている地球温暖化や上のような学説を無批判に受け入れるべきではない。
むしろ、根拠が全くないような「常識」は、真理から遠く外れていると見た方が無難だ。
「遺伝子は動く」ということを証明したMIT教授・利根川 進氏の大発見も、常識からのブレイクスルーであったことは万人の認めるところである。