2010年11月8日 提供:共同通信社
今シーズンのインフルエンザの流行は、例年に比べ早まる可能性が高まってきた。全国約5千の定点医療機関からの報告を集計している国立感染症研究所によると、この時期としては2000年以降で3番目に多い患者数だ。
同研究所感染症情報センターの安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「全体としてはまだ低いレベルだが、流行が起きているとみられる地域もある。流行が早く始まる可能性があり、ワクチン接種を予定している人は早めに受けてほしい」と呼び掛けている。
同研究所によると、10月末までの1週間で1医療機関当たりの患者数は全国平均で0・15人。昨シーズンは新型インフルエンザが発生、8月に全国的な流行が始まり、11月下旬がピークとなる変則的な状況だったが、今シーズンは昨年、07年に次ぐ患者数だ。ただ流行開始の目安となる1人よりはまだ少ない。
都道府県別に見ると、北海道が1・06人と最も多く、保健所管内別では注意報レベルの10人を超えたところもある。続いて沖縄(1・02人)、岐阜(0・49人)、青森(0・42人)、宮崎(0・36人)、宮城(0・20人)の順。
過去5週間で最も多く検出されているウイルスはA香港型で、新型、B型と続く。
同研究所は、手洗いや、せきやくしゃみが出たらマスクをするなどして感染を広げない「せきエチケット」の励行のほか、症状が出たらすぐに医療機関を受診するよう呼び掛けている。