いのちのリレー

少年同士、初の心移植 大阪大、手術は無事終了 家族「大変ありがたい」 震災の東北大では肺 初の15歳未満の提供

2011年4月13日   提供:共同通信社

 関東甲信越地方の病院で改正臓器移植法に基づき、15歳未満で初めて法的に脳死と判定された少年から提供された心臓が13日、大阪大病院で拘束型心筋症の10代後半の少年に移植された。日本臓器移植ネットワークによると、少年から少年への心臓移植は国内初という。

 手術は午前中に終了、移植を受けた少年の容体は安定しているという。記者会見した医師らは、両親が臓器提供について「大変ありがたい」と話したことを明らかにした。

 今回は「18歳未満から提供された心臓の移植を受ける患者は、待機患者として登録された時点で18歳未満だった人を優先する」との新基準が初めて適用された。昨年7月の改正法施行後、子どもが国内で心臓移植を受けやすくするよう新設された基準。

 13日朝、提供者の少年から摘出されたほかの臓器も、各地の病院に搬送後、患者へ移植する手術が進んだ。

 東北大病院で肺動脈性肺高血圧症の50代の女性に移植する両肺は、チャーター機と緊急車両などを使って搬送。東日本大震災で津波被害を受け、この日から民間航空機の運航が再開した仙台空港を経由して運ばれた。

 藤田保健衛生大病院(愛知県)で一方の腎臓と膵臓(すいぞう)の同時移植を受ける糖尿病性腎症の30代女性は、2007年に脳死者から提供された膵臓の移植を受けたが、拒絶反応で機能しなくなったため、再度の移植。

 このほか、肝臓は北海道大病院で先天性代謝性肝疾患の20代の男性、もう一方の腎臓は東京女子医大病院で慢性糸球体腎炎の60代の男性に移植。

 提供者の少年は10歳以上15歳未満。交通事故で重い頭部外傷を負い、家族の承諾で12日に脳死と判定された。

・・・

臓器移植法が改定された大きな理由の一つに、海外で手術が容易に受けられなくなたことが挙げられます。

この改定の是非についてはいろいろな意見があります。

しかし、これが命のリレーであることは間違いない。

臓器を提供された少年のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の決意に対して敬意と感謝の意を表わしたいと思います。

カテゴリー: 最新医療 パーマリンク