次のような記事を見つけた。異論があるので検証したいと思う。 |
健康を知る005 コレステロールの誤報 http://takedanet.com/archives/1026437757.html (この記事を書いている時に、以下のニュースが出ました) ・・・・コレステロール:「気にせず食べて」動脈硬化学会が声明・・・ これに基づき、厚労省もコレステロールの制限を撤廃しました。(1)実に無責任です。この記事は4月19日にかかれ、この発表のあった5月2日の前なので、改めて機会を作って新しい発表についてコメントしますが、(2)この記事は科学的に書かれているのでそのまま掲載します。) 「コレステロールが体に悪い」という(3)医学的にも栄養学的にも、生理学的にも間違った風評が日本の常識になったのは、次の理由です。 1) (4)医師が故障修理(治療)から、設計(健康管理)に進出した初期の間違い 2) (5)マスコミが「衝撃的なことで注目を浴びよう」とした商業主義 3) (6)人種差別健康論。 (7)コレステロールが人体に害になるという間違った情報は、まだ医療が「治療中心」の時に、「健康」ということをよく考えなかった医学者が「ウサギの実験」と「ヨーロッパの超肥満体の人のコレステロール」を測定して、言い出したことです。時期もかなり前で、まだ「予防医学」が進んでいなかったこともあります。 ウサギの実験はとても雑なものでしたし、肉食でコレステロールが350などというヨーロッパの人の話を(8)そのまま200以下の日本人に適応するという馬鹿らしい状態でした。でも、当時「コレステロール」という名前自体が珍しく、なにかそれを知っているのが「偉いこと」だった時代でした。 そして、(9)コレステロールが人体に必要なもので、間違っていたことに気がついたのですが、その中で(10)NHKは、まず「善玉、悪玉」という造語を作り、次第にコレステロールのことを放送しないという方法で、間違いを訂正せずに責任を逃れようとしています。 表紙の図のように(11)日本人では220ぐらいまでは問題がなく(基準値は間違って悪玉と呼ばれているものが140程度)、(12)一日も早くコレステロールの誤解を解く報道や説明が求められます。 もっとも大きな問題は、日本人が普通の日本食を食べている場合、コレステロールというものを注意する必要があるのかということです。(13)コレステロールは体に必要なものですから、体内で80%も合成されます。だから、「病気ではない人」なら食事からコレステロールを多くとるようになると(食事からはわずか20%)、(14)体内合成を減らすので、それで十分調整できます。 次に病的な人、つまり体がコレステロールを調整する力を失った人の場合、病気ですからコレステロール調整力を回復させる方法が必要ですが、(15)今のところ、十分な医学は進んでいません。そこで、(16)「その人の正常なコレステロール値」が分かっている場合は、緊急避難として若干食事の制限なども有効とされています。 これから血圧などについても理解を深めていきたいと思いますが、コレステロールも万人に共通の「基準」があるわけではありません。その人の「正常コレステロール値」が分かっている場合に限り、治療が有効になるでしょう。(17)コレステロールが低いとがんを発症しやすいことはよく知られていて、もしかすると(18)「健康に注意してやせ気味」の人ががんを発症しやすいのも、(19)中途半端な知識をテレビや医師から得て、ストレスがかかっていることも原因と考えられます。 (平成27年4月19日) ◇ ◇ 氏の書かれたこの論文について、いちゃもんをつけるというのではなく、きちんと反論したい。上の論文の一部に下線を引き、文頭に番号を振り、その文章内容の適否について論ずることとする。 (1) 小生は無責任ではないと思う。サイエンスというのは時代時代において、真偽が逆転することがままある。最近ハイゼンベルグの不確定性原理が修正されて小沢の不等式となったが、これがひとつの例であろう。過去のデータに縛られず、最新情報をもとにして対応しているわけであるからこれを無責任というのは的外れではないか。 (2) そうあってほしいと思う。 (3) 言葉尻を捕らえるようで申し訳ないが、栄養学と生理学は、それぞれ医学の一分野。従って、「医学的に」の一言で済むはず。やや表現がオーバーではないか。 (4) これは初耳だ。誰がそのように主張しておられるのか。筆者だけ? (5) これも聞いたことがない。 (6) この造語も見たことがない。 (7) 非常に高い値のコレステロールは体に良くないのは常識だ。 (8) 200mg/dL以下の人であればヨーロッパ、日本人に関係なく治療の対照にはならない(と思う)。 (9) その通り。 (10)これ本当? (11)LH比との兼ね合いがあるが、上の(8)に書いた通りだ。 (12)脂質に関する初歩的医学知識のある人にとっては、誤解も何もないと思うが。 (13)その通り (14)家族性高コレステロール血症の場合、やはり薬が必要だ。 (15)そうだろうか。脂質異常症の医学管理については、ほぼ確立していると思うが。 (16)この文章の意味が分からない。その人の正常値とは??正常値というのは統計学的に決まっていて、総コレステロールの場合は、150~219mg/dLだ。 (17)この論文については以前に考察した。コレステロールが低いとがんになるのではなく、がん患者のコレステロール値が低いのだ。 (18)これってホント?是非論文をいくつか紹介してほしい。 (19)筆者の偏見ではないだろうか。確かに世論誘導番組は存在すると思うが。 読後の感想:あまり科学的な記事ではないと思う。
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