ニボルマブという薬

「院長の役に立つ話」で取り上げた薬オプジーボについて。こちらのサイトでは医療面から見てみたいと思う。小生がこの薬について思い巡らしていた多くを語っているサイトがあったので紹介しておきたい。

高額医薬品ニボルマブ(オプジーボ)の価格はどう決められたのか

まずは以前の薬価において(現在は半値に減額された)実際に要する費用を算定した結果が書いてある。月額で270万、年間で3240万となるが、これは薬剤費のみ。これに診察料、治療費などを含めると、年間の治療費は3500万となる。

この薬価が成立した理由を説明しているのがこのグラフ(オプジーボ薬価算定根拠)。

従来の薬品よりも桁違いに大きい「製造原価」は、どのように算定されたのか。この疑問に関する考察が次に書いてある。このサイトの著者は、製造費用はよくわからない、と言っている。では、モノクローナル抗体の作成方法とはいかなるものだろうか。理屈は簡単だ。リンクページにあるように、作りたい抗体を大量に産生する細胞を作成すればよい。研究開発費として3000億と仮定すると、オプジーボが約 7,100 億円売れた時点で開発費を完全に回収できる、とある。結果、50%減額されても研究開発費の回収は可能だということ。
その後、想定患者数が約5万人と桁違いに多い肺がんへと後から適用された理由とは何か。ここに大変興味深いニュースがある。
 森喜朗氏回復 がん新薬オプジーボ、60kg患者は年間3500万円
 サイエンスそのものは、面白くてピュアだ。しかしカネとかヒトとかが介入してくると、何かきな臭くなって、つまらなくなってしまう。
 iPSの将来は一体どうなるのだろうか。iPSの生物学はすでに終了している。その応用に関連して生じてくるdiplomacyがきな臭くならなければよいが・・・。
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