アリセプトの乱用に注意

急告

認知症治療薬アリセプト内服中の患者さん及びご家族の方へ

最近アリセプによると思われる重篤な副作用が散見されます。

心臓病をお持ちの患者さんで、この薬を飲んでいる場合は、心停止などの致命症を引き起こす恐れがあります。

この薬の治療効果が全く認められないにもかかわらず、漫然と投薬されている場合があるようです。

重篤な副作用により、体調が非常に悪くても、症状を訴えることができない可能性があります。

症例1. 90歳、女性

ある日突然、原因不明の急性心不全による急性呼吸不全を呈する。他院よりアリセプトの処方あり。この薬の副作用による可能性があると家族に休薬を指示するが、その後消息不明。

症例2.80歳代、男性

ある日突然、急激な血圧低下と著明な意欲低下が発現。家族から話しを聞いたところ、症状発現の時期と他院からのアリセプト投与時期が一致、内服中止直後から意欲抑制は著明に改善。
他にも似たような症例が数例ありましたが、休薬で症状が改善しました。

 *他院よりアリセプトが処方されている場合は、必ずお申し出下さい。

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認知症は予防できる!

 アルツハイマー病
 
 http://hobab.fc2web.com/sub4-Alzheimer’s_disease.htm

*難解ですがそのまま転載します。

脂質二重層に存在するコレステロール量が多いと、細胞膜の流動性が低下する。
 神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、Aβ(アミロイドβ蛋白)が脳内で重合(凝集)し易くなり、脳内に蓄積し、アルツハイマー病(痴呆症、認知症)を来たすと考えられる。
 アルツハイマー病は、食生活の改善(緑黄色野菜を摂取、ゴマ、緑茶などの摂取)により、予防可能と思われる。

 1.アルツハイマー病のアミロイド仮説
 アルツハイマー病(Alsheimer’s disease:AD)は、大脳の変性疾患で(大脳が萎縮する)、記憶障害で始まり、徐々に認知症(痴呆)が進行する病気。

 アルツハイマー病の脳には、病理所見で、大脳皮質内に、老人班、神経原線維変化、神経細胞死が見られる。

 a.老人班
 老人班は、アミロイドβ蛋白(Aβ:βアミロイド)により、構成されている。
 Aβは、アミロイド前駆体蛋白(APP:amyloid precursor protein)が、まず、βセクレターゼにより、細胞外ドメインの部分で、切断され(AβのN末部分、注1)、次に、γセクレターゼにより、細胞膜内で切断される(AβのC末部分)ことで、産生され、細胞外に分泌される。APPが変異すると、凝集性の高いAβ42が、産生され、脳に蓄積し、早期に老人班が形成される。Aβが脳内で重合(凝集)し、蓄積すると、神経細胞が変性し、神経細胞内にタウが蓄積し、神経細胞が脱落し、痴呆になると考えられている。
 βセクレターゼは、2,6シアル酸転移酵素の切断をも、行っている。

 アルツハイマー病で脳にアミロイドβ蛋白(Aβ)が蓄積する機序として、
 1.アミロイドβ蛋白(Aβ)の産生増加している
 2.アミロイドβ蛋白(Aβ)が(凝集して)蓄積易くなっている
が、考えられる(2の可能性が高い)。

 アミロイドβ蛋白(Aβ)が凝集するには、種(seed)が必要。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)の凝集に必要な種(seed)は、GM1ガングリオシドとアミロイドβ蛋白(Aβ)の複合体から構成されている(柳澤等)。

 老人斑は、特に中心核は、アミロイド細繊維(幅約8~12nm、長さ50~1,000nmの1対の捻じれた細繊維)が塊状に存在する。

 b.神経原線維変化
 神経原線維変化は、微小管結合蛋白質の一つである、タウ蛋白が、細胞質中で線維化(繊維化)し、沈着して出来る。
 神経原線維変化では、タウ蛋白は、リン酸化などの修飾を受けている(異常リン酸化タウ)。
 なお、神経原線維変化は、20歳代に、既に、海馬傍回に存在し、加齢に伴なって、その割合が増加する。
 神経原線維変化は、電子顕微鏡で観察すると、ペアになった螺旋状フィラメント(PHF:paired helical filament)構造をしている。
 PHFは、タウと呼ばれる、微小管結合蛋白(微小管関連蛋白)が主成分。アルツハイマー病に見られる神経原線維変化のPHFは、過剰にリン酸化されて、不溶化していて、ユビキチンが結合している(注2)。

 アルツハイマー病では、Aβが重合し、大脳皮質に沈着し、神経原線維変化を起こし、神経細胞死を来たし、脳機能が低下し、認知症(痴呆症)を来たすと考えられている。

 2.脳神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、アルツハイマー病になるリスクが高まる
 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、可溶性単体では、毒性を示さない。Aβは、疎水性アミノ酸を多く含むので、容易に重合すると理解されているが、実際には、Aβは、脳内では、重合することはない。

 Aβ重合は、Aβ産生量の増加が原因ではない:Aβは、神経細胞膜に発現するGM1ガングリオシドに結合して、重合を開始する。GM1ガングリオシド結合型Aβ(GAβ:GM1-Aβ)は、凝集塊形成性が高い。
 GAβの形成には、神経細胞膜内コレステロール量が、重要な役割を果たしている。
 人工脂質膜小胞を用いた実験結果では、膜内(膜の表面にGM1ガングリオシドが存在する)のコレステロール量が増加すると、可溶性Aβ(アミロイドβ蛋白)が、GM1ガングリオシドと結合して、GAβ(GM1ガングリオシド結合型Aβ)の形成が、著しく促進された。
 GAβ(GM1ガングリオシド結合型Aβ)は、凝集塊形成性が高く、単離されにくいので、脳内に蓄積すると考えられる。
 Aβは、GM1ガングリオシドに結合すると、構造が変化して、seed(種)となり、可溶性Aβの重合を促進する(Seed Aβ仮説)。
 
 アポ蛋白のアポEには、主に3種類の遺伝型がある。多くの正常人は、アポE3であるが、アポE2の人は循環器病になり、アポE4の人はアルツハイマー病になりやすい。
 老化マウスでは、神経シナプス外葉中のコレステロール量が、若いマウスに比し、約2倍に増加している。アポリポ蛋白E4を発現したマウスも、シナプス外葉中のコレステロール量が、老化マウスと同様に増加する。
 このように、老化や、アポリポ蛋白E4発現は、シナプス外葉中のコレステロール量を増加させる(シナプス膜のコレステロール分布が変化する)。
 シナプス膜には、GM1ガングリオシドが発現しているが、神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、GM1ガングリオシドのクラスターが形成される(GM1ガングリオシドが集合する)。そして、可溶性Aβ(アミロイドβ蛋白)が、GM1ガングリオシドクラスターに結合して凝集し、GAβ(GM1ガングリオシド結合型Aβ)を形成し、Aβ重合を起こすと考えられている。
 なお、コレステロールは、脂質二重層に存在し、細胞膜(生体膜)の流動性(fluidity)を決定する:細胞膜のコレステロール量が多い程、細胞膜の流動性は、失われる。細胞膜には、多くの蛋白が存在するが、膜内では活性を示さない蛋白が、細胞膜のコレステロール含量が増加して、細胞膜から遊離すると、膜外で修飾を受け、活性を持つようになる。細胞膜のコレステロール含量が増加すると、脂質二重層の脂肪酸間隙が減り、イオンや低分子が、細胞膜を通過しにくくなる:成人や、動脈硬化の進んだ老人の細胞膜は、コレステロール含量が多く、イオンや低分子の透過性が少ないので、細胞外の環境の影響を受け難い。

 このように、神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、Aβが脳内で重合(凝集)し易くなり、脳内に蓄積し、アルツハイマー病(痴呆症、認知症)を来たすと考えられる。
 実際に、総コレステロール値(TC値)が高かったり(250mg/dl以上)、LDLコレステロール値が高いと、アルツハイマー病を発症し易いと言う研究結果もある(HDLコレステロール値が高いと、アルツハイマー病を発症しにくい)。
 従って、アルツハイマー病の予防には、食生活の改善も、必要と考えられる。

 アルツハイマー病(認知症)は、生活習慣病であり、遺伝的な素因があっても、食生活の改善(動物性脂肪の摂取を控える、野菜や果物などから抗酸化物質を摂取する、等)により、発症のリスクを軽減することが可能と言われる。
 アルツハイマー病(認知症)は、生活習慣、つまり、食生活の改善(緑黄色野菜や魚を多く摂取する)、運動習慣の改善などにより、ある程度、発症を遅らせることが可能。
 アルツハイマー病のモデルマウス(アミロイド前駆体蛋白トランスジェニックマウス)は、トンネルや回転車などの遊び道具を入れた広いゲージ(enriched environment)で飼育すると、老人斑の程度が、50%抑制される。
 表1 アルツハイマー病のリスク因子
 ・アポリポ蛋白質E4遺伝子を有する
 ・高脂血症、高血圧、糖尿病
 ・肥満
 ・高ホモシスティン血症
 ・喫煙
 ・頭部外傷
 メタボリックシンドローム(肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症)があると、動脈硬化を来たし、血管性認知症のみならず、アルツハイマー病になるリスクも、高まる。
  血圧を下げると、アルツハイマー病の発症を、予防出来る。
 糖尿病の人は、糖尿病でない人に比して、アルツハイマー病になるリスクが、2倍高い。
 運動をしない人は、運動する人に比して、アルツハイマー病になるリスクが、2倍高い。

 モデルマウスの実験結果では、高脂肪食にすると、脳の老人班の数は、約2倍に増加する。また、カロリー制限する(通常食の6割のカロリー)と、脳の老人班の数は、1/3に低下する。
 緑茶に含まれるカテキンは、老人斑の形成を、50%減少させる。
 DHA(魚などに多く含まれる)は、老人斑の形成を、40%減少させる。
 表2 認知症(アルツハイマー病)への薬剤の効果
 薬剤           抗炎症作用     コレステロール低下作用     血管新生抑制作用     Aβ低下作用
 ACE阻害剤
                 +              -               -                ?
 スタチン
                 +              +               +                +
 NASIDs            +             -               +                +
 アスピリン           +             -               +                 -

 コレステロールが少ないと、セクレターゼ(アミロイド前駆体蛋白を切断しアミロイドβ蛋白を生成する)が作動しなくなり、アミロイドβ蛋白(βアミロイド)の生成が減少する。
 3.アルツハイマー病の診断マーカー
 アルツハイマー病では、髄液(CSF)中に、アミロイドβ蛋白(Aβ)のAβ42が低下する(Aβ40は変化しない)。これは、Aβ42が、アミロイドとなって、脳に沈着する為と言われる。
 なお、血漿中のAβ42濃度は、アルツハイマー病では、発症前から高値を示すが、アルツハイマー病が進行するに従い低下する。

 アルツハイマー病では、髄液(CSF)中の総タウ蛋白量が増加する。これは、変性した軸索や神経細胞から、タウ蛋白が放出される為と、考えられる。
 アルツハイマー病では、脳内のリン酸化タウ蛋白の増加を反映し、髄液中のリン酸化タウ蛋白量が、著明に増加する。
 髄液中の総タウ蛋白量は、アルツハイマー病以外の脳神経疾患(急性脳梗塞、髄膜脳炎、クロイツフェルト-ヤコブ病など)でも増加するが、髄液中のリン酸化タウ蛋白量は、アルツハイマー病に特異的に、著明に増加する。  

 4.GSK-3β
 アルツハイマー病の神経原線維変化では、タウ蛋白が、異常に(多く)リン酸化されている。
 タウ蛋白をリン酸化する酵素には、GSK-3β、JNK等が存在する。

 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、GSK-3βの活性を増大させ、タウ蛋白のリン酸化を来たし、神経原線維変化を形成させ、神経細胞を減少させ、認知症(アルツハイマー病)を発症させる。

 リチウム(LiCl)は、GSK-3βを抑制する。リチウム(LiCl)は、他の酵素をも、抑制(阻害)する。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、GSK-3βの活性を増大させる。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)が存在すると、タウ蛋白が不溶性タウになる(タウ蛋白がGSK-3βによりリン酸化され不溶化される)。
 リチウム(LiCl)により、GSK-3βを抑制しておくと、アミロイドβ蛋白(Aβ)が存在しても、タウ蛋白が不溶化しない(リン酸化されない)ので、神経原線維変化が形成されず、神経細胞が死滅しない。

 5.HSF-1とDAF-16
 アミロイド前駆体蛋白(APP)からβセクレターゼとγセクレターゼとによって切り出されたアミロイドβ蛋白(Aβ)は、凝集してβアミロイドを形成する。
 健康な脳細胞には、過剰に生成されたβアミロイドを、排除(無毒化)する機構が存在する。

 HSF-1は、βアミロイド原線維を分解し、解毒(無毒化)する。
 DAF-16は、βアミロイド原線維集合体の残骸を集めて、一時的により安全な高分子(巨大)集合体を形成する。βアミロイドは、高分子集合体の方が、低分子集合体より、毒性が低い。脳細胞は、βアミロイドの小さな原線維を、一時的に高分子集合体の形にして、貯蔵し、細胞を守る。

 βアミロイド集合体の無毒化に関与するHSF-1やDAF-16は、インスリン/インスリン様成長因子-1(IGF-1)経路により調整されている。
 インスリン/インスリン様成長因子-1(IGF-1)経路は、寿命の制御に用いられている。

 このようなβアミロイドの排除機構(清掃担当分子)の機能が、加齢に伴ない低下すると、脳内に有害なβアミロイド集合体が集積し、アルツハイマー病を発症すると考えられている。

 6.抗酸化物質とアルツハイマー病
 Kameプロジェクトが、1992~1994年に、非認知症の人を登録し、2001年まで、2年毎に、認知機能を評価した結果では、週3回以上、野菜又は果物ジュースを飲んだ人たちは、アルツハイマー病の発症リスクが、76%低減する。

 アルツハイマー病の発症リスク(ハザード比)は、週1回未満したジュースを飲まなかった人たちに比し、週3回以上ジュースを飲んだ人たちは0.24、週1~2回ジュースを飲んだ人たちは0.84だった。
 ジュースを飲んだ人たちでも、特に、アポリポ蛋白質Eε4アレル保因者や、身体活動度が低い人たちで、ジュース飲用によるアルツハイマー病発症リスク低減効果が現れた。
 
 ジュース飲用によるアルツハイマー病発症リスク低減効果は、ジュースに含まれる抗酸化物質のポリフェノールが、神経保護作用を現す為と考えれている。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)を形成(惹起)させる酸化ストレスは、活性酸素でも、過酸化水素が関与している。
 ポリフェノールの多くは、抗酸化ビタミンより強力に、過酸化水素から神経細胞を保護する(アミロイドβ蛋白の形成を予防する)。
 食事に含まれる抗酸化ビタミンのビタミンE、ビタミンC、β-カロテン、御茶の飲用は、アルツハイマー病発症リスク低減効果が認められなかった。
 抗酸化ビタミンのビタミンE、ビタミンC、β-カロテンなどを、多量に摂取しても、神経保護作用が現れなく、アルツハイマー病発症リスク低減効果が現れない。

 アルツハイマー病患者は、アミロイドβ蛋白(Aβ)が重合(凝集)し易い分子環境を有している。
 ポリフェノール(ワイン関連ポリフェノールのミリセチン等、クルクミン等)は、抗酸化作用があり、アミロイドβ蛋白(Aβ)の重合を強力に阻止する作用や、アミロイドβ蛋白(Aβ)線維を分解する作用が確認されている。

 7.ネプリライシン
 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、凝集してβアミロイドを形成する。
 βアミロイドは、ネプリライシンと言う酵素(ペプチダーゼ)により分解される。
 高齢になると、ネプリライシンの活性が低下し、βアミロイドが蓄積し易くなる。

 8.NSAIDsとアルツハイマー病
 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、アミロイドとなり脳に沈着するアミロイドβ蛋白Aβ42の産性を特異的に抑制する。

私的感想:
当院の患者が、(自称?)認知症専門家を受診したところ、かぜ薬PL顆粒(消炎剤などを含有)が認知症を悪化させていると言われたそうです。これって、この情報と対立しているように思いますが、どっちが正しいのでしょうか??(><)! ちなみにこのドクター、アリセプトが大好き。処方して頂くのは、まあかまわないのですが、意識抑制や血圧低下といった副作用が出ている患者さんは、投薬をやめた方がよいのでは?

 セクレターゼ阻害剤は、アミロイドβ蛋白(Aβ)の生成を阻害するが、Notchシグナル系の切断も阻害し、腸管上皮の形成障害や、免疫細胞の分化障害が起こる。NSAIDsは、Notchシグナル系への影響が少ない。

 9.SOR1
 アルツハイマー病では、βアミロイド(ベータアミロイド)が蓄積するが、SOR1と呼ばれる遺伝子が正常に機能すると、βアミロイドの蓄積が抑制される。
 65歳以上で発症するタイプのアルツハイマー病に関係する遺伝子の研究から、SOR1の型により、アルツハイマー病の発症し易さに差があることが判明した。

 10.ハンチントン病
 ハンチントン病(ハンチントン舞踏病、セント・ヴィツス舞踏病)は、脳内神経細胞が進行性に漸減する神経変性疾患。
 突然変異したハンチントン病蛋白質が、カベオリン-1と呼ばれる分子と共に神経細胞(ニューロン細胞)に発現すると、コレステロールが脳内に著明に蓄積する。
 カベオリン-1は、小胞の主要構造蛋白であり、コレステロールを捕捉し、神経細胞のニューロン膜内外へ移動させる。

 11.Aβオリゴマーがアルツハイマー病の主因
 老人斑は、アミロイド前駆体蛋白質(APP)から作られるアミロイドβ蛋白(Aβ)からなる繊維。
 老人斑が見られないアルツハイマー病患者が存在する。
 アルツハイマー病の原因は、老人斑ではなく、変異型アミロイドβ蛋白(Aβ)から作られるAβオリゴマーと考えられるようになった(大阪市立大学医学部富山貴美準教授等).

 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、野生型は、モノマーからダイマーが形成されると、すぐに繊維が形成される(モノマーの比率が高い)。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)は、変異型(⊿E21のグルタミン酸が欠損)は、繊維が形成されず(老人斑が形成されない)、ダイマー、トリマー、テトラマーなど複数の会合体(オリゴマー)が形成される。
 オリゴマーは、野生型Aβも形成するが、変異型Aβより少ない。変異型Aβは、繊維(老人斑)が形成されず、オリゴマーの量が倍増する::モノマーと繊維とオリゴマーの割合は、野生型Aβは1対1対1だが、変異型Aβは1対0対2。

 アルツハイマー病には、アミロイドβ蛋白(Aβ)でも、オリゴマー(会合体で繊維を形成しない)が原因と考えられるようになった。
 アミロイドβ蛋白(Aβ)のオリゴマーは、LTP(Long Time Potentiation:長期増強作用)と言う記憶に関与する。
 変異型Aβのオリゴマーは、神経のシナプスを障害する。

 12.その他
 ・朝鮮ニンジン(朝鮮人参)は、ジンセノサイド(ポリフェノールの1種)を特有的に含有している。
 ジンセノサイドは、試験管内での実験結果によると、アミロイド繊維の形成を1/3に抑制すると言う。
 フェノール酸は、ポリフェノールの1種で、山菜や果物に含有されている。フェノール酸にも、アミロイド繊維の形成を抑制する作用がある。

 ・関節リウマチ患者(RA患者)には、アルツハイマー型認知症(Alizheimer-type dementia:ATD)が少ない。

 注1:そもそも、何故、アミロイド前駆体蛋白(APP)が、βセクレターゼ等により、切断されアミロイドβ蛋白(Aβ)が形成されるのか、疑問に感じる。
 アルツハイマー病は、高脂血症、糖尿病等、生活習慣病が、発症リスクを高めると言われる。
 アミロイド前駆体蛋白(APP)が、食生活の影響で、変性することが、βセクレターゼ等により、切断される原因なのかも知れない。

 注2:ユビキチン(Ubiquitin) は、76個のアミノ酸から構成された蛋白質。
 ユビキチンは、他の蛋白質を修飾し、プロテアソームでの蛋白質分解、DNA修復などに、関与する。
 修復不可能な蛋白質(高次構造形成に失敗した蛋白分子)を、プロテアソームで分解する為に、ユビキチン化するには、熱ショック蛋白質(HSP)の助けが必要と言われる。

 参考文献
 ・第125回日本医学会シンポジウム記録集 アルツハイマー病 日本医学会、2004年3月. 
 ・阿部敏明、他:小児の成長とコレステロール(II) 小児科 40: 496-502, 1999年.
 ・山田正仁:アルツハイマー病の病因 日本医師会雑誌 第134巻・第6号、1007-1011、2005年.
 ・瓦林毅:アルツハイマー病の診断マーカー 日本医師会雑誌 第134巻・第6号、1022-1023、2005年. 
 ・六反一仁:タイムリーにHSPを供給するための、「大量生産」システム、日本醫事新報、No.4154、2003年12月6日号、C1-C6頁.
 ・長谷川和夫、他:老年期痴呆診療マニュアル、日本医師会雑誌、臨時増刊、Vol.114 No.10、1995年(平成7年).
 ・ADの決定的要因は加齢そのもの 有害なアミロイド集合体を除去不能に、Medical Tribune Vol.39 No.44、2006年11月2日号、70頁.
 ・ジュース含有のポリフェノールがAD予防 日系日本人で発症リスクを76%低減、Medical Tribune Vol.39 No.44、2006年11月2日号、1頁.
 ・田平武:認知症に対する取り組み-予防・治療の展望、日本医師会雑誌、第135巻・第6号、1291-1295、平成18(2006)年9月.
 ・山田正仁:脳老化と認知症、日本医事新報、No.4313(2006年12月23日)、58-61頁.
 ・アルツハイマー関係遺伝子特定 国際チーム「発症、型により差」、朝日新聞、3頁、総合12版、2007年1月16日(火曜日).
 ・ハンチントン病に変異蛋白質が関与 コレステロール輸送系を干渉、Medical Tribune、2007年3月1日号、22頁.
 ・アルツハイマー病・ヤコブ病 朝鮮ニンジン成分 原因物質を抑制、信濃毎日新聞、2008年(平成20年)1月3日(木曜日)、第二社会 38面.
 ・森松光紀:1 アルツハイマー病はどのようにして起こるか、日本医師会雑誌、臨時増刊、Vol.114 No.10、老年期痴呆診療マニュアル、202-214頁.
 ・渡辺佳夫、井ノ口健也:介護保険資料による関節リウマチ患者の認知症合併率の検討、日本医師会雑誌、第137巻・第4号、平成20年(2008年)7月、758-760頁.
 ・高田明和:栄養の誤解、日本医事新報、No.4391(2008年6月21日)、85-87頁.

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何て言ってるの?

 
この動画の英語と日本語訳は次の通りです。
 
ご参考にして下さい。
 

 

Animation How a heart attack happens

A heart attack or myocardial infarction is caused due to coronary artery blockage.

Coronary arteries are the blood vessels which supply the heart with oxygen and nuitrition.

Overtime, the inside of these arteries develop fibro-fatty plaques of different sizes.

These plaques are made of choresterol and other substances floating through the blood
 
stream such as inflammatory cells, proteins and calsium.

Many of the plaque deposits are hard on the outside, and soft on the inside.

The hard surface can crack or tear, exposing the soft fatty inside. 

When this happens, platelets come to the area and blood clots form around the plaque.

The artery narrows farther and in turn there is less room for blood to flow

through the artery.

Finally this results in the occulsion of the coronary arteries, resulting in the death

of surrounding heart muscles.

The patient experiences tightness, heaviness, or constriction in the chest.

◇ ◇ ◇

心臓発作、すなわち心筋梗塞は、冠動脈閉塞によって引き起こされる。

冠動脈は、心臓に酸素や栄養を供給する血管である。

時間を経て、この血管の内部にさまざまな大きさの、線維と脂肪に富んだプラ-クが形成される、

プラ-クは、血流を通して流れてくるコレステロールや、炎症性細胞、タンパク質、そしてカルシウム
といった物質から成っている。

多くのプラ-クは、外側は硬いが、中は柔らかい。

その硬い表面は破れたり、裂けやすく、柔らかい脂肪分に富む内部をさらす。

これが起きると、血小板が付着し、凝血塊がそのプラ-ク周囲に形成される。

これにより、動脈はさらに狭くなり、血液が流れる空隙が少なくなってしまう。

最終的に、冠動脈の閉塞が生じ、支配域の心筋が壊死する。

患者は、圧迫感、重圧感、そして胸部苦悶を訴える。

カテゴリー: 心筋梗塞 | 2件のコメント

インフル早期流行の可能性 「ワクチン接種は早めに」

2010年11月8日 提供:共同通信社

 今シーズンのインフルエンザの流行は、例年に比べ早まる可能性が高まってきた。全国約5千の定点医療機関からの報告を集計している国立感染症研究所によると、この時期としては2000年以降で3番目に多い患者数だ。

 同研究所感染症情報センターの安井良則(やすい・よしのり)主任研究官は「全体としてはまだ低いレベルだが、流行が起きているとみられる地域もある。流行が早く始まる可能性があり、ワクチン接種を予定している人は早めに受けてほしい」と呼び掛けている。

 同研究所によると、10月末までの1週間で1医療機関当たりの患者数は全国平均で0・15人。昨シーズンは新型インフルエンザが発生、8月に全国的な流行が始まり、11月下旬がピークとなる変則的な状況だったが、今シーズンは昨年、07年に次ぐ患者数だ。ただ流行開始の目安となる1人よりはまだ少ない。

 都道府県別に見ると、北海道が1・06人と最も多く、保健所管内別では注意報レベルの10人を超えたところもある。続いて沖縄(1・02人)、岐阜(0・49人)、青森(0・42人)、宮崎(0・36人)、宮城(0・20人)の順。

 過去5週間で最も多く検出されているウイルスはA香港型で、新型、B型と続く

 同研究所は、手洗いや、せきやくしゃみが出たらマスクをするなどして感染を広げない「せきエチケット」の励行のほか、症状が出たらすぐに医療機関を受診するよう呼び掛けている。

カテゴリー: 感染症 | インフル早期流行の可能性 「ワクチン接種は早めに」 はコメントを受け付けていません

心筋梗塞の発症メカニズム

いま話題のYouTubeに、動脈硬化が主な誘因となる心筋梗塞発症に関する動画がありました。

大変有用です。

是非、ご参考にして下さい。

 
 

カテゴリー: 心筋梗塞 | 2件のコメント

動脈硬化が起こるメカニズム

アステラス製薬 なるほど病気ガイド
からの引用(一部改変)です。

1.血管内皮の損傷

高コレステロール血症、高血圧症、糖尿病などによって血管に負担がかかると、血管の内皮細胞に傷がつき、内皮が持っている動脈硬化を防ぐ働きが失われます。

2.貪食細胞の進入

すると血液中のLDLが内膜に入り込み、酸化を受けて酸化LDLに変化します。それを処理するために白血球の一種である単球も内膜へと入り込み、マクロファージに変わります。つまり、貪食という生体の防御反応が、生体にとっては良からぬ結果をもたらす引き金となってしまうわけ。

3.プラークの形成

マクロファージは酸化LDLを取り込んで、やがて死んでいきます。この結果、内膜に、LDLに含まれていたコレステロールや脂肪が、お粥のような柔らかい沈着物となってたまっていき、内膜はどんどん厚くなります。このようにしてできた血管のコブをプラーク(粥腫)といい、プラークができた状態を粥状(アテローム)動脈硬化と言います。なおHDLはプラークからコレステロールを抜きとることで、動脈硬化を解消する方向に働きます。

プラークができると、血流が悪くなり、血管が少し収縮しただけで血流がとだえて、その血管により酸素や栄養が送られている心臓や脳に症状が起こります。

4.血管の破綻

また、プラークが破れると、そこに血のかたまり(血栓:けっせん)ができて血流が完全に途絶え、心筋梗塞や脳梗塞が起こります。また、血栓が血流にのって脳などに運ばれ、細い動脈を塞ぐことで脳梗塞などを起こすこともあります。 これが動脈硬化症の末期像です。

こうなると、もはや治療方法はありません。したがって、こうならないように、早期治療が必要なのです。

お分かりでしょうか。

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抗老化たんぱく質

京都府立医大の松原教授ら、動脈硬化の仕組み解明 抗老化たんぱく質不足で

2010年10月19日   提供:毎日新聞社

 京都府立医大の松原弘明教授と草場哲郎研究員らのグループは18日、抗老化たんぱく質「クロトー」が不足することで血管が老化し、動脈硬化につながるメカニズムを解明したと発表した。近く米アカデミー紀要(電子版)で発表する。

 グループは、動脈硬化で心筋梗塞(こうそく)や脳卒中となる患者は、腎臓から分泌されるクロトーが少なくなっていることに着目。生まれつきクロトーを持たないマウスを用いた実験で、血管内側の細胞(血管内皮細胞)内のカルシウム濃度が極めて高くなっていることを突き止めた。さらに、このカルシウム濃度上昇で細胞が死んで血管壁にすき間が生じ、血しょうが侵入することを発見。入り込んだ血しょう成分が、血管を石灰化して老化が導かれることを解明した。

 松原教授は「血管病の予防や治療に向けた新たな戦略を開発できる可能性がある」としている。【成田有佳、広瀬登】

・・・

いや~、おもしろいですね。

腎臓から抗老化たんぱく質が分泌されているんですね。

クロトー遺伝子ノックアウトマウスでは、

>血管内側の細胞(血管内皮細胞)内のカルシウム濃度が極めて高くなっている

とあります。

つまり、老化とは硬くなること(石灰化)である

と言い換えることもできそうです。

確かに、これは真理です。

ちなみに

クロトー遺伝子については、以下の記事が参考になります。難しいことが書かれていますが、途中省略すると、全く意味不明となってしまいますので、そのまま引用します。カッコ及び*以下は私的解説です。

クロトー遺伝子について
http://www.pariet.jp/helpful/vol55/no570/sp03.html

質問
 カルシウムの代謝の促進など老化抑制にかかわるとされるクロトー遺伝子についてup to dateも含めてご教示下さい。(青森県・消化器科)

回答
杏林大学医学部 高齢医学 准教授 神崎恒一
クロトー(Klotho)と電解質代謝
 Klothoは黒尾教授(現テキサス大学)と鍋島教授(現京都大学)が発見した遺伝子で、これを欠損したマウス(これをノックアウトマウスといいます)は短命で早発性老化の表現型を認めることから、抗老化遺伝子として注目されてきた。
その後の研究で、Klotho遺伝子は主として腎尿細管、PTHを発現している副甲状腺の主細胞、脳脈絡膜などに発現し、いずれも生体内もしくは組織でのカルシウム(Ca)代謝に深く関わっている可能性が示唆されている。

*難しいですが、我慢して読み続けましょう。

また最近、Klotho蛋白はFGF受容体と協同してFGF23のシグナルを細胞内に伝え、腎尿細管でのリン(Pi)の再吸収を抑えることもホットな話題になっている(図1)。また、FGF23‐Klothoシグナルは同じく近位尿細管での1α‐hydroxylase(1α‐OH)の活性を抑え、ビタミンD(vit D)の活性化を抑制することも報告されている。

*FGFというのは、線維芽細胞成長因子(fibroblast Growth Factor)のこと。働きはその名前の通り、線維芽細胞を成長させる物質。この物質に対するレセプターがKlotho蛋白と共同的に働いて、カルシウムの吸収を抑制する、すると、体内にカルシウムが溜まらず、老化が防げるというわけだ。

傍証として、Klotho変異マウスでは血清中のCa, Pi, Vit Dが高値を示し、1α‐OHの発現も顕著に亢進している。そして、Klotho変異マウスにVit D制限食を与えると、このような表現型は改善する。KlothoのVit Dを介するCa‐Pi代謝における重要性はマウスだけでなくヒトでも示されている。13歳の女子はKlotho遺伝子のホモ接合体変異であることが判明し、高Ca血症、高Pi血症、1,25(OH)2D高値が認められ、異所性石灰化が複数の箇所に認められた。以上、Ca‐Piホメオスターシスを制御する上でFGF23‐Klotho系が重要な鍵を握っていることが分かる。

Klothoと老化
Klotho変異マウスは短命(約60日)で、肺気腫、動脈硬化、骨粗鬆症、異所性石灰化、運動機能障害など様々な老化類似症状を示す1)。一方、Klotho過剰発現マウスは平均寿命が2年から約3年に延長することが判明した。

このことから、Klotho遺伝子は長寿遺伝子でありKlotho蛋白(分泌型蛋白)は抗老化ホルモンと考えられている。その機序は分かっていないが、Klothoは活性酸素消去酵素であるSODの発現を誘導するなど、生体を酸化ストレスから守り、生体内の蛋白、DNAその他の障害を防ぐ役割を持つことが想定されている。

図1:FGF23/KlothonによるCa-P代謝調節

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頚動脈エコーの実際

◇ ◇ 

症例1. 67歳 女性 高コレステロール血症

*IMTは0.7mmと正常で途中断裂等なし。 動脈内径も均一で硬化性変化なしと判断される。 正常例。 

◇ ◇

症例2. 79歳 男性 高血圧症 

 *総頚動脈分岐部近傍に内膜の膨隆、すなわちプラークの形成を認める。この部分のIMTは4.0mm。過去に心電図変化を呈することなく、突然心筋梗塞を発症。

◇ ◇

症例3. 51歳 女性  糖尿病、高血圧症、高コレステロール血症 

*総頚動脈ほぼ中央に、管腔に沿って、高度な石灰化を伴うプラーク形成を認める。狭窄率は45%で、重度ではないが慎重に経過を観察する必要がある。

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インフルエンザワクチン最新情報

インフルエンザワクチン情報

インフルエンザワクチンの接種回数と費用に関しては次のとおりです。

◆65歳未満の方

【接種回数】接種日現在、13歳未満の方は2回、13歳以上の方は1回

【費用】接種1回目 3000円、接種2回目 2500円

◆65歳以上(千葉市在住)の方

【接種回数】1回

【費用】1500円または無料

ご不明な点は ℡ 043-295-7887  

※現在、接種中です!

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動脈硬化によって引き起こされる病気

 

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ウッソー! コレステロール値 「高い方が死亡率低い」??

コレステロール値 「高い方が死亡率低い」

 日本脂質栄養学会で研究成果発表
2010年9月3日   提供:毎日新聞社
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/09/03/124948/?pageFrom=m3.com
コレステロール値:「高い方が死亡率低い」 

日本脂質栄養学会で研究成果発表 /富山

 

 ◇きょうから日本脂質栄養学会、ガイドライン策定へ

 動脈硬化の原因の一つとされるコレステロールについて、日本脂質栄養学会(理事長=浜崎智仁・富山大学和漢医薬学総合研究所教授)が「総コレステロール値またはLDL(悪玉)コレステロール値が高い方が総死亡率が低い」とする研究成果をまとめた。3、4日に愛知県犬山市で開かれる第19回日本脂質栄養学会で発表する。【青山郁子】

 日本では狭心症などの持病がない場合、血中のLDLコレステロール値が140ミリグラム以上で高脂血症と診断される。日本動脈硬化学会が07年に定めたもので、厚生労働省や多くの医療現場が基準値として採用している。

 浜崎教授らは、東海大学が神奈川県伊勢原市の老人基本健診受診者(男性8340人、女性1万3591人)を平均7・1年間追跡した調査などを分析。男性ではLDLコレステロール値が79以下の人より、100-159の人の方が死亡率が低く、女性ではどのレベルでもほとんど差がないとの結果を得た。

 また、茨城県などが冠動脈疾患や脳卒中の既往歴のない男女約9万人(40-79歳)を対象に平均10・3年間追跡した調査でも、冠動脈疾患死とコレステロール値との因果関係はみられなかった。

 これを受け脂質栄養学会は昨秋、浜崎教授を委員長に「長寿のためのコレステロールガイドライン策定委員会」を設置。「特別な場合を除き、動脈硬化性疾患予防に(コレステロール値)低下目的の投薬は不適切」などとする内容を盛り込むことを検討している。特に投薬治療を受けている患者の約6割を占める女性は、閉経後に平均値で30-40ミリグラムは上昇するとされ、基準値に男女差がないことも問題視している。

 今後は各方面の意見を聴き、来年度に学会として正式なガイドラインを発表する予定。

 浜崎教授は「日本でコレステロール値を下げる薬の売り上げは年間約2500億円。関連医療費も含めると7500億円を上回る。この中には多額の税金も投入されており、無駄と思われる投薬はなくすべきだ」と話している。

・・・

以前にもこのような報告は何度かありましたので、さほど真剣に読む気がしないのですが、コレステロールを治療中の方で、初めてお耳にする方にとっては気になる情報だと思います。

若干ではありますが、私なりの考察を加えておきます。

1.まずは調査対象グループの設定について

A群:LDLコレステロール値が79mg/dl以下の男性とB群:LDLコレステロール100-159mg/dlの男性という分け方です。見るとすぐに分かりますが、LDLコレステロール80-99mg/dlの男性のデータがありません。意図的にこの間のデータを隠しているのではないかと勘ぐりたくなります。

さらに、

未治療で、A群のように、LDLコレステロール値が79mg/dl以下、というのは、あまりお目にかかれないほどの低値です。つまり、A群は病的なヒトを含んでいる可能性が高いということです。一方、B群は、LDLコレステロール100-159mg/dlであり、食欲も大盛でいたって健康な集団といえるでしょう。

よって、結語としては

「100-159の人の方が死亡率が低い」のではなく、「LDLコレステロール値が79mg/dl以下の(病的な)男性の方が死亡率が高い」

といった方が正確ではないかと思われます。

2.冠動脈疾患死とコレステロール値との因果関係について

良くこの記事を読んで頂きたい、何と書いてあるか。

冠動脈疾患死、と書いてあります。

>冠動脈疾患死
>疾患死
>死

心血管イベントの頻度とコレステロール値との相関性について、検討したのではないのです。心筋梗塞などによる心臓死と高コレステロール血症との関係については因果関係はなかったと書いています。このような報告は前からあり、目新しい報告ではありません。

そうではなくて、

高LDLコレステロール血症を放置すると、心血管イベント(狭心症や心筋梗塞の発症)頻度は明らかに増加することはこれまでの研究からすでに明らかにされています。

心筋梗塞などによる心臓死と高コレステロール血症との関係については、以前より因果関係がないことは証明されており、新しい知見とは言えません。

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動脈の構造

頚動脈エコーで、内膜の肥厚(IMT>1.0mm)を認めた場合、何らかの治療が必要。

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高コレステロール血症と動脈硬化

<コレステロール>「善玉」増やし動脈硬化防止

2010年7月2日(金)13:00
 ◇悪玉コレステロールとの比率改善を/禁煙、運動が効果的

 そろそろ職場で行った健康診断の結果が分かるころ。気になるコレステロール値に悪玉(LDL)と善玉(HDL)があるのはよく知られているが、意外に見落としやすいのが善玉の数値。悪玉と善玉の比率(LH比)を知って動脈硬化防止を心掛けたい。【小島正美】

 東京都内の男性(58)は健康診断の結果、悪玉のLDLが1デシリットル当たり125ミリグラム、善玉のHDLは同45ミリグラムだった。脂質異常症と診断されるのはLDL値が140以上、HDLが40未満のため、特に異常はない。ところが、たまたま超音波検査(エコー検査)で心臓周辺の血管を調べてもらったところ、鎖骨下の動脈の血管に脂がたまり、血管が狭くなっていることが分かった。

 この男性のケースをどう考えればよいか。生活習慣病予防外来で脂質異常症などの患者を多く診ている武田病院健診センター(京都市)の桝田出(いづる)所長(京都大学医学部臨床教授)は「こういうケースは珍しくない」と日ごろの治療体験から話す。続けて、「悪玉のLDLが正常目安の120未満であっても、HDLが低い場合は心筋梗塞(こうそく)を起こすリスクがけっこう高いので、LDLとHDLの比率であるLH比(LDL÷HDL)を見ることが重要だ」と指摘する。

 HDLは血管に付着した悪玉コレステロールを運び去る働きをする。つまり、HDLが低いと血管に脂がたまりやすくなるわけだ。

   ◇   ◇

 小倉記念病院(北九州市)が06~07年に、急性心筋梗塞や狭心症で運ばれた患者約370人を調べたところ、LDLの平均値は正常範囲内の111ミリグラムだった。さらにLDLが100未満と低く、より正常と思われた患者141人を調べたところ、約3割の人はHDLが40未満と低かった。

 同様の報告はほかにもある。カレスサッポロ北光記念クリニック(札幌市)の佐久間一郎所長らの研究報告によると、心筋梗塞になった北海道内の男性患者571人のうち、313人(約55%)はLDLが120未満と正常範囲だったが、HDLは正常範囲とはいえ低めの40~50程度だった。

 こうした研究結果から、桝田さんは「LDLとHDLの比率が2~2・5以上ある場合は、たとえLDLが正常範囲でも、要注意と考え、念のためにエコー検査で頸(けい)動脈の様子を調べた方がよい」と話す。

 エコー検査をすれば、血管の中に脂がどれくらいたまっているかが分かる。佐久間さんのクリニックでは、健診を受けた人にLH比を最初から見せている。その比率が2~2・5以上の場合には、生活指導や治療を勧めている。佐久間さんは「HDLが正常範囲でも40台の人は要注意だ」とHDLの数値の重要性を話す。

   ◇   ◇

 動脈硬化などに詳しく、LH比を重視した診療を提言している倉林正彦・群馬大学医学系研究科教授は「健康な人では、まずLDLを120以下まで下げ、LH比を2以下にする。糖尿病や高血圧、家族に脂質異常症のある人は、LH比を1・5程度にするのがよい」とアドバイスする。

 医療機関では一般的に、LH比の改善には肝臓でのコレステロールの合成を抑えるスタチン系薬剤が使われる。また、中性脂肪の高い人はコレステロールの腸での吸収を抑える薬剤を組み合わせることもあり、3~4カ月程度の服用で改善するケースが多い。

 薬以外でHDLを上げる方法としては、喫煙をやめて、運動するのが一番効果的だ。東山武田病院(京都市)では患者の体力に応じた運動もアドバイスする。今井優・健康運動指導科長は「1日30分程度歩く運動を続けるだけでも、約2~4カ月でHDLが上がる」と運動の大切さを強調している。

・・・

血液検査だけでは不十分です。
頚動脈エコー検査も合わせてお受けになることをお勧めします。

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現行の予防接種スケジュールです

武田薬品HPより引用

画面をクリックしてご覧下さい。

Hibワクチンについては、供給が不安定との情報もありますので、現在、確実な入荷ルートを検討中です。

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風疹ワクチンと抗体検査に関するQ&A

風疹ワクチンに関するQ&A

最近よく受けるご質問にお答えいたします。

風疹ワクチンに関するご質問です。

1.風疹ウイルス抗体検査の見方

風疹ウイルス抗体検査の方法には、大きく分けて2種類あります。

ひとつは、HI法、もうひとつはグロブリンクラス別抗体価測定法です。

ⅰ)HI法による判定
HI抗体価が16倍以下は低抗体価といい、HI抗体価が256倍以上は高値とされる。つまり、HI価が16倍以下の場合は、ワクチン接種が必要。HI価が256倍以上の場合は、現在感染している可能性が高い。16倍以上256倍以下の場合は、かつて風疹に罹患した可能性が高く、ワクチン接種の必要はないと言えるでしょう。

ⅱ)グロブリンクラス別抗体価測定法
特異な皮疹などから、風疹に罹患している可能性が高く、診断を確定したい場合には、血中IgMを測定する。高力価なら現在感染している可能性が高く、妊娠は控えた方が良いと言えます。過去に風疹に罹患したかどうかを確認したい場合は、血中IgGを測定します。抵抗力があれば、血中IgG値は高い。IgG値が低い場合は、抵抗力がないと考えられワクチン接種が必要と思われます。

簡単に

① ワクチン接種を受けた方が良い ⇒ HI価が16倍以下またはIgGが低値

② 妊娠を控えた方が良い ⇒ HI価が256倍以上、またはIgM、IgGが極めて高値
 
③ ワクチン接種後妊娠を控えた方が良い期間 ⇒ 2ヶ月、できれば3ヶ月以上

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アラジン1発見

アレルギー反応ほとんど抑制…アラジン1発見

 花粉症やアトピー性皮膚炎などさまざまなアレルギー反応を抑え込むたんぱく質を、渋谷彰・筑波大学教授らが世界で初めて発見した。

 このたんぱく質は人間などの生体内にもともとあり、その働きを高める方法がわかれば、画期的なアレルギー治療薬につながる可能性がある。6日発行の専門誌ネイチャー・イムノロジーで発表した。

 このたんぱく質は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンなどの物質を生産して放出する「肥満細胞」の表面にあった。渋谷教授らはこれを人間とマウスからみつけ、「アラジン1」と命名した。

 その働きを調べたところ、肥満細胞の中で、ヒスタミンなどを放出させる信号の伝達を妨げていることがわかった。アラジン1が働かないマウスではアレルギー反応が激しく、アラジン1の効果も確認した。

 現在、アレルギー疾患の治療には、放出されたヒスタミンなどの働きを抑える薬が使われている。渋谷教授は、「アラジン1の働きを高める薬剤がわかれば、ヒスタミンなどの放出自体を抑え込める。ほとんどのアレルギー反応を根本から抑えられるので、これまでよりはるかに有効な治療ができる」と話している。

 ◆アレルギー反応=体内に入ってきた物質に、体を守る免疫機構が過剰に反応して起きる。花粉症やアレルギー性鼻炎、ハチに繰り返し刺されて起きるアナフィラキシーショックなどがある。「IgE抗体」に花粉やハチ毒などが結合し、それが特殊なたんぱく質を介して肥満細胞を刺激して起きる。この反応は、もともと寄生虫を駆除するためのもの。強い毒性のあるヒスタミンなどを出すので、症状が激しい。

(2010年6月7日12時21分 読売新聞)

・・・

>肥満細胞の中で、ヒスタミンなどを放出させる信号の伝達を妨げる

と書いています。 

一方、朝日新聞には

>肥満細胞の表面で、肥満細胞を活性化するシグナルの伝達を阻止する新しい受容体を発見

と書いています。

これらの記事を読んでみると、ヒスタミンなどを放出させることを肥満細胞の活性化と称しているようです。

では、肥満細胞の活性化、すなわち肥満細胞からヒスタミンが放出されるメカニズムについて、少し学んでみたいと思います。

肥満細胞の脱顆粒について。

免疫グロブリン(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)を参照します。

この中の「機能」を見ると

マスト細胞表面受容体上のIgEに抗原タンパク質が結合すると、IgEが抗原を架橋するような形になり細胞内顆粒中に貯蔵されているヒスタミンなどの放出が行われる。

と書いています。

それでは、マスト細胞表面受容体とは何か。

このサイトの「受容体」に書いているように、肥満細胞の表面に発現しているレセプター蛋白のこと。
これに、抗原と複合体を形成したIgEのFc部位が結合する。すると、細胞の活性化が引き起こされて、脱顆粒が連鎖するということです。

では、細胞の活性化と脱顆粒はどのように起きるのか。

マスト細胞のシグナル伝達というサイトに分かりやすく書かれています。

この図に示されているように、マスト細胞表面受容体FcεRはα、β、γ鎖から成っている。このレセプターFcεRに、IgE抗原複合体が結合すると、細胞の活性化が起こるわけだ。細胞内では、β鎖にリンクしているLyn(チロシンキナーゼ)から始まるカスケードが活性化(リン酸化)が起き、最終的に脱顆粒が起きる仕組みだ。

アラジン1がこのシグナル伝達機構のどの過程を抑制するかは、これらの記事からは不明であるがいずれにしても、かなり画期的な発見といえるだろう。

上の図を見て、何やらリンとかサイク、ラスだのと良く分からん略号とかひん曲がった棒のようなものが書かれていますが、これらは我々ヒトの体に中に実際にあるタンパク質。これらが互いに相互作用しながら個々の細胞がそれぞれの機能を果たしていく、これが生命だ。 

あまり難しく考えないように。 今この瞬間に起きている生命現象をマンガにしただけ。

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今宵はしっとりと

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常識からの脱出

ネアンデルタール人の遺伝子、我々にも? ゲノムで解明

  
 現生人類(ヒト)の一部はネアンデルタール人と交雑し、その遺伝子を受け継いでいたらしい。独マックスプランク進化人類学研究所などの国際研究チームが、ネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)配列を解析し、突き止めた。7日付の米科学誌サイエンスでその概要版を発表する。

 ネアンデルタール人はヒトに最も近い種の人類。約40万年前に現れ、欧州を中心に西アジアで生存、約3万年前に絶滅したとされる。約20万年前にアフリカで現れたヒトと同じ地域で生きていたが、両者の間に交雑はない、との考えが有力だった。

 研究チームは、クロアチアの洞穴から発掘された4万年ほど前の3人のネアンデルタール人女性の骨片を使い、ゲノム配列を調べ、ネアンデルタール人のゲノム全体の約6割を解明した。

 この情報とフランス、中国、パプアニューギニア、アフリカ南部と同西部の5人のヒトゲノムとを比べた。すると、アフリカ以外のヒトはゲノムの1~4%がネアンデルタール人由来と推測できた。子孫を残せるほど近い関係だったことになる。

 同チームはヒトの移動時期を踏まえ、アフリカを出た初期のヒトは10万~5万年前の間に中東でネアンデルタール人に遭って限定的に交雑し、その後、欧州やアジアに広がったと考えられるとした。また、認知機能や頭の骨の発達にかかわるとされる遺伝子は両者の間で大きな違いがあることもわかったとしている。

 国立科学博物館人類史研究グループの篠田謙一グループ長(分子人類学)は「人類の本質を探るための第一歩となる研究成果だ。未知の部分の多いヒトの遺伝子の働きについてさらに理解が深まれば、ネアンデルタール人についても同時にわかるようになるだろう。両者は分岐して数十万年しかたっておらず生物学的には交雑は可能と思っていたが、その考えがより強まった。ただ、交雑したと確定させるには、より古い時期のネアンデルタール人のゲノムを調べたり、ヒトがアフリカを出た時期を再検討したりするなどもう一段階必要だ」と話している。(松尾一郎)

・・・

どうもよく分からない。

進化論、とはいっても、これは将来証明されるのが確実視されている理論物理学のような理論体系ではない。つまり、仮りの説である。

>ネアンデルタール人はヒトに最も近い種の人類。・・・約3万年前に絶滅したとされる

とある。進化論は、適者生存の考え方を基本としているので、絶滅に追いやられた(ヒトの一)種の形質(遺伝子と言い換えても言いだろう)を受け継いだ一族は、その後淘汰されると考えるのが自然である。しかし、結果は逆のようだ。

今盛んに言われている地球温暖化や上のような学説を無批判に受け入れるべきではない。

むしろ、根拠が全くないような「常識」は、真理から遠く外れていると見た方が無難だ。

「遺伝子は動く」ということを証明したMIT教授・利根川 進氏の大発見も、常識からのブレイクスルーであったことは万人の認めるところである。

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The Corrs‐ Summer Sunshine Music Video

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免疫と中枢神経系

母乳の免疫物質、脳の発達促進 
2010年4月17日 11時03分

 出産後間もない時期の母乳を与えると子どもの脳の発達が促され知能が高くなる仕組みを、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明准教授らのグループがマウスの実験で明らかにした。母乳に多く含まれる免疫物質が脳の発達を促すとみられる。

 岡嶋教授らは水を張ったプール内に台を設置。プールでマウスが台にたどり着くまでの時間を毎日、計測した。その結果、出産後1週間以内の牛の乳(母乳)を与えたマウスは2日目以降、与えていないマウスの半分ほどの時間で台に到達できるようになった。

 マウスの脳を調べたところ、母乳を飲んだマウスは脳で記憶や学習をつかさどる「海馬」の神経細胞数が増加、活発に働いていた。知能が高くなり台の場所を覚えたため、早く到達できたとみられる。

 初期の母乳に含まれる免疫グロブリンなどが胃の神経を刺激し、海馬の発達を促すインスリンに似た物質を大量に生成すると考えられるという。母乳に含まれる免疫グロブリンなどは産後1週間ほどで急減。その後の乳には、ほとんど入っていないという。

(中日新聞)

・・・

>初期の母乳に含まれる免疫グロブリンなどが胃の神経を刺激し、海馬の発達を促すインスリンに似た物質を大量に生成すると考えられるという

よく分からないのでもう一回、

>海馬の発達を促すインスリンに似た物質を大量に生成する

この文章の主語は何でしょうか。
よく分かりません。

可能性として、

1.免疫グロブリンなど
2.胃の神経(細胞)

の2通りがあります。

どちらなのかはっきりしませんが、こういったことは、私が研究者をしていた頃(ン十年前)から注目を集めていました。

ずばりこのインスリンに似た物質を早く同定するのが肝要かと思います。

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