■院長の役に立つ話
〜我々は若返ることができるか〜
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今回は、人類永遠のテーマ「老化と若返り」について考えてみたい。 |
この分野の研究は癌治療との関連性もあり、大変ユニークで興味をそそられる医学分野だ。 |
テロメラーゼに関する基礎知識はWikipediaより引用しておこう。 テロメラーゼ活性が低い細胞は、一般に細胞分裂ごとにテロメアの短縮が進み、やがてヘイフリック限界と呼ばれる細胞分裂の停止が起きる。テロメラーゼは、ヒトでは生殖細胞・幹細胞・ガン細胞などでの活性が認められ、それらの細胞が分裂を継続できる性質に関与している。このことから、活性を抑制することによるガン治療、および活性を高めることによる細胞分裂寿命の延長、その両面から注目を浴びている。 |
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Have harvard scientists discovered the fountain of youth? Or hardly, but they have figured a way to reverse the aging process in prematurely aging mice. A few years ago, the researchers genetically modified mice, inhibiting production of an important enzyme called telomerase which helps keep chromosome ends stable. Mice aged incredibly fast suffering from age related diseases and dying at six months instead of the normal three years. Scientists have known some aspects about the relationship between telomerase and aging for years. Well, one sees diseases of aging coming on early, one of the things that is happening is that there just isn’t enough telomerase action in ourselves. The harvard researchers came up with an idea to restart the telomerase in their prematurely aging mice. They fed the mice a chemical that reactivated the telomerase and within a month, the genetically modified mice were as healthy and youthful as normal mice. Can a process be replicated in humans? Can we reverse the aging process? Well, perhaps for those with prematurely aging or age related diseases, only time will tell. |
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ハーバード大学の研究者たちは、若さの源を発見できたのか。 否、まだできていない。だが、彼らは早期老化マウスの加齢プロセスを逆進させる方法を考え出した。 数年前、研究者たちはテロメラーゼと呼ばれる重要な酵素を作れないように遺伝子操作を加えたマウスを生み出した。 このテロメラーゼという酵素は染色体の末端を安定化する働きを有している。 このマウスは想像以上に早期に老化し、年相応の病気に罹り、3年という平均寿命よりはるかに短い6ヶ月という期間で死に至る。 以前から、科学者たちはテロメラーゼと加齢との間の関係についてはある程度の知識はあった。 確かに、非常に早期から老化が起きる病気はいくつか知られています。 このような病気に関してひとつ言えることは、テロメラーゼ活性が十分働いていないということです。 ハーバード大学の研究者たちは、早期老化マウスにおいてテロメラーゼを再活性化するという実験を思いついた。 彼らは早期老化マウスにテロメラーゼを再活性化する物質を与えてみたところ、たった-ヶ月たらずで、正常と同じ位健康なマウスに若返りした。 この過程は人で再現可能だろうか。 我々は若返ることができるのか。 さてさて、早期老化病や加齢関連疾患の問題解決のためには、まだまだ時間が必要だろう。 |